試合でこんな経験ありませんか?
「途中までは均衡していたけど、連続失点で負けてしまった」
「レシーブ力のある自分にサーブがこなくてスパイクを打てない」
特に経験者が少ないチームだと、レシーブできるプレーヤーが限られてしまうので難しい問題です。
ここで質問です。
バレーボールにおいて極めることで「絶対に試合に負けなくなるプレー」というものがあるのを知っていますか?
答えは「レセプション(サーブカット)」です。
なぜなら、相手のサーブをすべて一本で切っていれば、「絶対に負けることはない」のです!
(相手も同じく一本で切っていれば勝つこともできないのですが…。)
そうなんです。どんなに強いスパイカーが相手にいようと、味方がサーブミスばかりしていても、レセプションさえ決めきれるようになれば勝機はある!
実際に男子バレーのプロの試合を見ていると、レセプションの決定率が非常に高いことが分かります。レベルが高くなるにつれて、レセプションの返球率、そこからのスパイク決定率は高くなります。
(ネットより9m離れたサーブよりもネット近くから叩き落とすスパイクのほうが決まりやすいのは当然ですよね。)
この記事では以下についてご説明します!
・レセプション時のレシーバー、セッター、スパイカーの思考法
・各ローテーションのレシーブフォーメーションの組み方
この記事を読んでチームメイトと共有すれば、全体のレセプション意識が向上し返球率が上がること間違いなしです!
試合の結果を直接左右するレセプションをぜひ極めていきましょう!
以下ではStep1の思考編とStep2の実行編に分けて、レセプションのノウハウについて解説していきます!
Step1…選手それぞれがもつべき意識
Step2…レセプションのフォーメーションの組み方
順番に読み進めることでより納得できる内容ですので、ぜひどちらも読んでみてください!
【Step1】まずはレセプション時のチームの思考を統一する!
では、実際にレセプションから1本で得点につなげる方法について解説します。
【注意】ブログのコンセプト上、両レフトもしくは片方のレフトがエースであり他の選手よりも得点率が高いと仮定します。
基本的には、
1.レフトエースが決め切る
2.ライトスパイク(前衛かつ決定力が高い選手がいれば)
3.エースのバックアタック(後衛レフト>前衛レフトのとき)
4.クイックで決める
5.ツーアタックで落とす
の順で得点率が高いことになります。
それぞれのパターンについて、役割別に考えていきましょう。
①レシーバー
上記のパターンを大別するならば、Bパス(セッターが定位置から二歩程度動く)でも可能性がある1, 2, 3とAパス(セッターの頭上もしくは動いても1歩以内)4.5に分けられます。
初心者も含む、レセプションの苦手なチームとすると基本的に1.2.3がメインの得点方法となります。すると、それぞれの仕事は
エース…上がったトスを決め切る。
セッター及び二段トス…レフト(エース)に集める。
レシーバー…セッターがエースにトスをあげられる位置にレシーブする。
となります。
ここで鍵となるのは、必ずしもセッターの頭上でなくても良い、というところです!
例えばエースがレフトにいて、3人でレセプションしている場面を想定します(図)。
左にはエース、真ん中と右には裏エースとリベロ、もしくはリベロと初心者がいるとします。
こうなれば当然相手はコートの右半分をサーブで狙います。(エースに打って崩す選択もありますが。)
というのは、右側に打てば
・セッターは背中側からくるボールをレフトに上げなければならず難易度が高い。
・エース(上手な選手)、リベロ以外に打てばサービスエースを取れる可能性がある。
・サービスエースを取れずとも、崩して二段トスになれば決定力は落ちる。
このようにメリットが多いのです。
そうなれば、リベロ、裏エース(初心者かも)の仕事としては、
アタックラインより中の左半分あるいはコート中央にある程度の高さでレシーブすることです!
こう考えるとそんなには難しくは無いのでしょうか!
ちなみに、以下の理由からあげる場所を絞り込んでいます。
・コートの左奥…エースが真後ろから来る2段を打つことになり、決め切るのが難しい。❌
・アタックラインの中の右側…セッターが長いトスを上げるため、未熟なセッターでは不安定になりやすい。🔺
・コートの右奥…長いトスをあげる、打つ技術が必要。🔺
この思考を応用して、常に三本目を触る選手を意識してレシーブすることがレセプションの鍵となります。
詳しくは後のレシーブフォーメーションで解説します。
②エース
エースの役割は、もちろん得点を取ることです。
しかしケースバイケースで、選択肢があることを常に意識しなければなりません。
優先順位をつけて選択肢を列挙するなら、以下となります。
1.レフトから1本で決め切る。
2.時間差や位置の工夫で決め切る。
3.相手が崩れる場所にスパイク(フェイント)し、チャンスボールをもらってから次で決める。
4.返すのがやっとなら、ミスをせずに返す。(このときも相手の位置を考慮できればなお良い)
特にマークされているエースは1が難しいこともあります。そんなときはAセミやBセミでタイミングや位置をずらしてスパイクをすることも視野に入れましょう。
(ただし、コンビミスのリスクや打てるコースの縮小の恐れもあります。)
詳細は下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご活用ください。⤵
タブーなのは、2本以上自分のミスで失点することです。ネットにかけたり、アウトにしてしまったりというものです。
というのも、エースの連続ミスは単に失点が重なるだけではなく
・トスをあげるセッターに迷いが生じる。
・3本目に上がった他のアタッカーで決めきれなければ、相手からの攻撃が来るので
常に後手になる(攻める機会がない)。
・エース自身の不調につながる。
となってしまい、流れが試合の勝敗に関わるバレーボールでは致命傷となりかねません。
1本ミスをしてしまった後は、1番自分の自信のあるプレーで巻き返せるようにしましょう。
したがって、エースの役割は
常に選択肢があることを意識することとミスをしないことです!
勝利の鍵を握っているのはもちろんエースです。常にプレッシャーをもってプレーしましょう!
③他のアタッカー
B, Cパスを前提としているので優先度は低いですが、ライトスパイカー、クイックを打てる選手がいる場合は、彼らの選択肢も重要になってきます。
特にエースがマークされているときは、彼らの存在が立て直すきっかけにもなります。
特にライトスパイカーはBパスでも選択肢が消えず、アマチュアではライトスパイカーへの耐性が充分でないことが多々あるので、非常に効果的な攻撃とも言えます。
またクイックに関しても、Aパスが入ったら決め切れるスパイカーがいれば理想ですが、打力が強くない選手も多いと思います(助走もコンパクトなため)。
そんな選手には、効果的な場所にプッシュをする技術が求められます。
自チームのライトプレーヤーが後衛なら、相手のレフトがクイックのブロックを行う。
➡コート右の手前
速いレフト平行の警戒で相手のライトがブロックの準備をしている。
➡コート中央の手前
強打orツーアタック警戒で後衛プレーヤーが前進している。
➡両奥
このように、空いているorこれから空くスペースに落とせるようにしましょう!
【Step2】ローテーションごとのレシーブ陣形の組み方!
